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株式会社ニチレイフーズに新卒で入社し最初に赴任した生産工場では、冷凍チャーハンの生産ラインに配属されました。
米を炊いて、炒めて、味付けし、冷凍するという工程を、自らが機械を操作してラインを動かすという仕事です。
そこでは、長年勤めてきた職人である現場の方々と対等に仕事をしなくてはなりません。
機械の知識、炊飯の知識、加熱の知識、鉄板の知識、冷凍技術の知識などのありとあらゆる知識が必要でした。
長年現場で働いてきた先輩方は、機械を動かすのはのもちろん自分の舌で製品の味を確認しながら設定を都度調整し、機械トラブルへの対応や設備メンテナンスに至るまであらゆる仕事をこなしていました。
何の知識もない自分は、先輩に教わったやり方で機械のスイッチを押して動かすだけで精一杯でした。総合職社員として入社したのに、パート社員に圧倒的に負けているという状況に非常に悔しい思いでした。
3〜5年で他事業所へ転勤するのが通例だったので、転勤までにしっかりここで自分の存在価値を示す!と心に決め、必死に食らいつく毎日でした。
書籍で炊飯や冷凍技術の勉強をする、専門知識を持った他部署の人にわからないことを聞いて教えてもらう、そうして得た知識を現場で試すという「誰よりも現場での試行錯誤をする」ことを繰り返し、貪るように知識を吸収していきました。
そして3年目になるころには現場の誰よりも冷凍チャーハン製造技術に関して詳しくなり、新ライン立ち上げ等の大きなプロジェクトにも現場の先頭に立って指揮する立場となって参加できるようになりました。
しかし現場の先頭に立つようになると、次はリーダーとして30人ほどのチームをまとめるという仕事が待っていました。これもまた未知の世界です。
チームをまとめる立場になると、「自分では手を出さず、しかるべき方向へ導く」ということを求められました。正直「自分がやった方が早いし正確なのに...」と思うことは多々ありました。
自分より長く働いている人たちをまとめていくという難しさも経験しました。
年齢や雇用形態や国籍も様々で、働くということへのモチベーションも価値観もひとりひとり違う中で、自分と同じ熱量を求めてよいものか?メンバーひとりひとりと、そして自分と対話を延々と繰り返す毎日でした。
このリーダーとしての仕事を毎日毎日悩みながら2年間ほどやりましたが、未だに「当時どうするべきだったのか?」という問いに答えは出ないままです。当時の上司からは、年齢が解決してくれるよと励まして頂いたりもしましたが、次にまたリーダーの仕事を任せてもらえる場面があったらこの経験を活かしつつレベルアップした自分でぶつかっていきたいと思います。