アクティブ音響センシングによる携帯情報端末における把持姿勢の認識

OVERVIEW

3年秋学期のゼミ研究(元ある研究の追実験)

YEAR 2019 - 2020

アクティブ音響センシングとは

物体を媒質として特定周波数の音響信号を送受信、その信号の周波数応答を観察する。

物体によって周波数応答が異なる。

→物体ごとの周波数応答の違いを学習することによって物体の状態を認識できるセンシング技術。


研究概要

1組のスピーカーとマイクを物体に装着し、スピーカーから音響信号を発生させ、物体から出る周波数応答をマイクで読み取る。コンピューター上で読み取った信号応答を周波数スペクトルに変換し、機械学習にかける手法によって物体の状態を認識させる。機械学習のアルゴリズムにはSVMを使用した。この手法を用いて、携帯情報端末における把持姿勢を指定し、その姿勢における認識率を調査した。

概要図


実験の手順

1. 4種類の把持姿勢の中からランダムに選ばれた姿勢のジェスチャーを10秒間行う。 

2. 最後の5秒間で共振スペクトルデータ(1706点分)を50データ取得する。これを4ジェスチャー分行う。(これを1ラウンドとする 。)

3. 1と2を15ラウンド分行い、周波数スペクトルデータ3000個を取得。

 (4把持姿勢のジェスチャ×50データ×15ラウンド ) 


実験で使用した4種類の把持姿勢と把持姿勢ごとの周波数スペクトル

実験の評価方法

得られた15ラウンドのデータのうち14ラウンドを訓練データ、残り1ラウンドをテストデータとしてSVM識別器にかけ、認識率を求める。

全てのラウンドの組み合わせについて認識率を求め、平均認識率を求めた。

結果

平均認識率92.89%

議論

・持ち方に応じて異なるアプリケーションを起動させることが可能になる

・携帯情報端末のような個人での使用を目的とした物体に対して把持認識

 を行うことができる


※先行研究

Touch & Activate: Adding Interactivity to Existing Objects using Active Acoustic Sensing