詩人・岡和田晃の第二詩集『世界の起源の泉』の装丁・組版を担当しました。
耽美的な形而上詩から直接的に語りかけるプロレタリア詩まで、ジャンルを横断して様々な試みの現代詩が収録されている濃密な詩集です。通常の詩集の2, 3倍の作品数が収録されているので、四六判で背幅は15mm以上あります。
個々の作品と、幅広い作風の作品が1冊の詩集に編集されることによる挑戦心や遊び心を、だまし絵風の表紙で表現しました。
装画はルネサンス期の ジョルジョーネの絵画『テンペスタ』 です(よく見るとモチーフがかなりちぐはぐで謎の多い絵画作品)
クールベ『世界の起源』 を踏まえてそれを隙間から覗き見る デュシャンの『遺作』 のように、紙を破いて『テンペスタ』を覗き見ているのは『世界の起源の泉』と銘打たれた詩集の読者……という作品の意味の連鎖に装丁で参加することができ、美術出身のデザイナーとしてすばらしい経験になりました。
書籍目次は版元のSFユースティティアの記事をご覧ください。
https://sfjustitia.blog.fc2.com/blog-entry-33.html
詩集『世界の起源の泉』
著者:岡和田晃
発行:SFユースティティア
ISBN 978-4-971087-03-9
2024年9月25日初版発行