映り込みをテーマとした写真集の制作

OVERVIEW

2017年卒業制作


【映り込みと出会った背景】

普段からカメラを持って、散歩をしたり、旅行をしたり、、日常の中にある素敵な場面を数多く切り取ってきました。そうやって様々な写真を撮っていく中で、私はこの「うつりこみ」に出会いました。

それは窓ガラスに映り込んだ木々、そしてガラスの向こう側の空や雲。様々なものが重なり合って、そこには美しい世界が広がっていました。


映り込み、つまり光の反射。

鏡の起源は人類と同じほど古いとされていて、先人たちが初めて目にした鏡は水鏡と言われています。そして彼らは「鏡に映像が映る」ことを神秘的なもの、神聖で霊力が宿るものとして扱ってきました。

もしかしたら、「うつりこみ」には人の心を揺さぶる何か特別な力があるのかもしれません。


【こだわり】

・撮影機材:Canon eoskissx7

・製本:うつりこみの表情がより良く伝わる様、印刷は全てプリンターで出力し、くるみ製本の部分のみ業者に依頼。

・写真:1年間に渡り撮影した約800枚の中から選別

・構成:「こちら側とあちら側・日常・散歩道・さかさま」4つのテーマに分類。より、うつりこみの面白さや美しさを感じてほしい。


【こちら側とあちら側】

同じ場所で、意識だけを動かしてみる。トレーシングペーパーとマット紙に同じ場所から見える別の写真を印刷。うつりこみの面白さを楽しんでいただける作品。

【日常】

生活の中に隠れている映り込みを。時間帯や季節を変えて撮影したものをまとめている。



【さかさま】

あえて逆さまから写真を見ることで、グッとあちら側の世界に近づくことができる作品。



【散歩道】

日常から一歩外へ足を踏み出してみると見えてくる。自然と人工物が創り出す不思議な世界をまとめた。