【自主制作】ka和ii collection

OVERVIEW

日本の伝統文化で ある着物と日本のポップカルチャーである原宿系の要素をミックスさせたファッションショー「ka和ii collection」を企画・実装しました。

YEAR 2019
  • 制作期間:2019/1 - 3
  • 担当:演出、システム設計・開発、ディレクション(企画、モデル手配、会場交渉)
  • 使用ソフト:TouchDesigner
  • チームメンバー:8名

【概要】

ファッションショーを選んだ理由は、空間演出の新たなアプローチではないかと考えたからです。teamLab Borderless(チームラボ ボーダレス)に代表されるインタラクティブなシステムを取り入れた空間演出は、最近では広く一般に普及しています。

一方ファッションショーの分野では、DIORが“サーカス“をモチーフにショーの演出を行ったり、まるで本物と見間違うような“雪山“や”ビーチ“を室内に作ってしまうCHANELの演出等、ファッションをより魅力的に見せるショーの空間演出が行われています。

そこで今回私は、ファッションショーにインタラクティブな演出を取り入れればより世界観が伝わるのでは?と考え、「新たな空間演出」を制作しようと考えました。そしてもう一つの理由として「なんだか面白そう」と感じたからです。笑


【コンセプト経緯】

日本の伝統文化で ある「着物」と 自由にファッションを楽しむ「原宿系ファッション」に着目をしました。

ka和ii collectionでは着物と洋服をミックスさせた着付けを行っているのですが、着物に自由なファッションを楽しむ原宿系の要素を落とし込むことで「着物ってかわいい」「もっとラフに着こなしていいんだ」というメッセージが伝われば良いなと思います。




【システム設計】

プロジェクター5台、PC3台、スピーカー1台を使用しました。TouchDesignerで実装しています。音の入力はPC搭載のマイクから行い、音の値を映像に反映させています。ファッションショー開始の音楽がかかると同時に壁面の風車とロリポップが変動する仕組みになっています。


【インタラクティブ演出】

障子の後ろを歩くモデルの影に桜吹雪が散るインタラクティブな演出を組み込みました。

Kinectで人物検出を行い、人(人影)が動くとエフェクトが追従するという演出を加えました。パーティクルには桜(着物の柄)とハートをイメージしたものと、「調和」を意味する六角形をモチーフにデザインを行っています。(動画は検出テスト時のもの)


【プロジェクションマッピング】

障子にはプロジェクションマッピングの技術を使用しています。

Kinectから取得した深度情報から人物領域を描画し、コントラストや黒レベルを調整することで” 障子に写る人影 “を表しています。

これをTouchDesignerで障子の形に描画範囲を指定してマッピング投影した映像と合成することで「映像の伸び」や「障子から映像(人影)がはみ出る」のを防いでいます。


【最後に】

今回沢山の方々のご協力を受け、この企画を実施することができました。

会場・機材はアークベル株式会社さんのご提供を受け、自分の理想とするスケール感ある作品(空間演出)として映像に残す事ができました。

改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。