医療画像処理に関する研究

OVERVIEW

深層学習を用いた歯科パノラマX線写真における、石灰化領域検出に関する研究

研究内容

歯科で撮影される歯科パノラマX線写真には石灰化領域が写る場合があります。この石灰化は動脈硬化が進行するとみられるようになり、急死にいたる血管疾患の原因の一つであることが知られています。そこで、この石灰化領域の有無を自動検出するアルゴリズムを提案することにより、歯科医の診断を支援し、医科への受診を促すことを目的としています。

この目的を実現するために、セグメンテーションモデルと識別器を直列に組み合わせ、同時に学習させることで、石灰化の有無を識別する手法について研究しています。私は、各モデルの構成に対する再検討を行い、最適な組み合わせを模索する研究を行なっています。具体的には検出精度を維持したセグメンテーション用の軽量化したCNNの開発や識別器モデルの最適化を行なっています。

選んだ理由

高校時代から何らかの形で医療に関わる研究をしたいと考えていたからです。私の祖父母は二人とも癌になった経験がありますが早期発見・治療により現在は完治しています。この経験から現代の高齢化社会では、より疾患の早期発見が求められると考えるようになりました。その中でも自分の得意な数学を生かしたいと考えていました。そこで目を付けたのが医用画像処理でした。医師の診断精度に関わらず疾患の発見をできることは多くの高齢者を抱える現代において必要不可欠の技術になると考えました。

研究の意義

従来の石灰化領域の自動検出器には学習や識別処理に要する計算コストが非常に高いという問題点があります。そのため技術の応用には、高性能なPCを必要とし、家庭用PCや小規模な医療施設での使用が困難となっています。これに対し、私の研究はモデルの規模を大幅に削減しつつ、検出精度を維持すると共に向上させる手法を開発することを目指しています。

この研究は、一般的な歯科でも高度な歯科画像診断を可能にします。これにより、歯科医の診断を支援し、医科への受診を促すといった研究の目的に寄与することができると考えられます。