概要
「推しのためなら頑張れる」という“オタク”的発想を逆手にとり、その場の誘惑より長期的な節約を優先できるよう支援するゲーミフィケーション型節約アプリです。
たとえば、毎朝500円のコーヒーを買う習慣があるとします。一回の出費は小さくても、積み重なると大きな金額になります。しかし、節約によって得られる長期的な金銭的メリットよりも、「今すぐ得られるカフェイン」の方が魅力的に感じられるため、私たちはついコーヒーを購入してしまいます。
本アプリは、そうした短期的誘惑に対して“推しにスーパーチャットを送った気持ちになれる、推しを支援できる”という内的報酬を提示することで、日常の中の「小さな」節約を後押しします。たとえばコーヒーを我慢する分、アプリ内で疑似スーパーチャットを送り、使わなかった金額を“推しのための貯金”として記録。可視化された貯金額や、Live2Dで表現された推しからのリアクションが、日々の節約行動に楽しさと継続性をもたらします。
※スーパーチャット(Super Chat):YouTubeのライブ配信中に、配信者に対して視聴者が渡したい金額を決めて有料でコメントを送る機能を指す。いわゆる投げ銭。
開発プロセス
初期段階では、アプリの目的に基づいて画面遷移図と必要なUI要素を洗い出し、ユーザーフローを明確化しました。その後、Unity上で最低限の画面遷移を実装した後、機能面の開発に着手しました。主要な機能の実装が完了した後は、Live2DモデリングとUIアセットの制作を行い、Unity側に組み込みました。アイデアの着想から公開まで、1か月で開発プロセスを完了させ、WebGL形式でビルドし、Unity Roomにて公開しています。二次創作アプリの性質上、Appleストアでの公開は控えています。
Unityでの開発に約2週間、イラスト制作含むLive2Dモデル作成に約1週間、UIデザインとUnityへの組み込み・配置調整に約1週間、という時間配分で行いました。
こだわった点
スマホで使いやすく
親指で操作しやすいように画面遷移のボタンは全て画面下に配置しました。
また、どうしてもスマートフォンでは文字が小さくなるため、アイコンだけでどの画面に移るかが即座に分かるようなアイコンデザインを心掛けました。
再現度と楽しさの両立
「推しへスーパーチャットを送った」という満足感をユーザーに与えるためにスーパーチャットのデザインを本物に寄せつつ、ノベルゲームを遊んでいるような感覚で節約を楽しめるように全体的にデザインをポップに仕上げました。
誤削除の対策
誤ってデータを削除してしまうのを避けるため、削除前にユーザーの明確な意思確認を行うステップを挟みました。視覚的にも注意を引くように危険色である赤を大胆に使いつつ、彩度を抑えることでアプリ全体の雰囲気とマッチするようにしました。
使用ツール
アイデア構想:GoodNotes
アプリ開発:Unity (C#)
UIアセット作成:Figma / Clip Studio Paint
Live2Dモデル作成:Clip Studio Paint / Live2D
使用フォント:バナナスリップ