【大学課題】アプリデザイン

OVERVIEW

大学の課題で制作したアプリデザインです。

YEAR 2021

大学の授業で、新しいビジネス『Pay Check』を考えました。

課題発見から問題解決の施策まで思考し、サービスのアプリデザインを制作しました。

■日本の環境問題

資源ベースの観点で見る日本の現状として、経済協力開発機構、OECDのデータによると、日本はごみを焼却する割合が世界で最も多いにも関わらず、リサイクル率は20%以下とかなり低いことが分かる。また2021年3月30日に環境省が発表した令和元年度のデータによると、ごみの処分方法のうち、最も多いのが焼却で79.4%、リサイクルが19.6%、埋め立てが1%となっている。日本は環境問題に対してより真剣に取り組むべきだということが、データからも読み取れる。


■電子レシートに対する消費者の声

「電子レシート」に関するアンケート調査を実施した。「電子レシート化されて欲しいと思うか?」と質問したところ、「強く思う」「思う」と回答した人が全体の約8割を占めています。法人企業の会社員のほとんどがレシートを紙で保管し、後で会社で精算してもらうスタイルをとっており、レシートの保管に関して「面倒」や「なくしてしまう」「精算の申請が面倒」など様々な不満を抱えている。昨今の電子・キャッシュレス決済ができる環境の変化に伴い、レシート・領収書も電子化を求める声が多く集まった。紙のレシートを無くしてしまうことでの会社経費の自己負担をなくすためにも、決済だけではなく、決済後のスマート化が望まれている。また、余剰な紙資源を削減するためにも、電子レシート化の必要性は高いことが伺える。

■電子レシート化の現状

電子レシート化については、既に東芝テック株式会社が「スマートレシート」というアプリを開発している。しかし、利用者数は2020年時点で19万人と全く浸透していないことが分かる。またスマートレシートは、まだまだ導入店舗は少ないのが実情である。大手企業が経営する店舗であっても、スマートレシートを利用できるとは限らず、PayPay・楽天Payなどのスマホ決済、WAON・nanacoなどの電子マネー決済は着々と浸透しているが、スマートレシートの導入店はかなり少ないのが現状である。

■新しいビジネス「Pay Check」

そこで、私が提案する新たな電子レシートシステムは「Pay Check」である。このサービスは、会計時に発行される紙レシートを電子化するというものだ。普段買い物をした際に紙のレシートが発行されるが、多くの人が捨ててしまうだろう。家計簿をつけて支出管理をしている主婦の方や、会社経費の月間立て替え金額を把握するために、法人名義でのレシートや領収書を保管している企業は別ですが、これもPay Checkで解決することができる。

■「Pay Check」のサービス内容

専用アプリをインストール後、会員登録をしてユーザーの情報を管理する。電子決済時、レシートが必要な方はQRコードを提示することで、レシートがデータとしてアプリに送られる。また先に述べたアンケートにおいて、紛失したり決算などが面倒だという声があったが、レシートがデータ化されることで紛失してしまう懸念が解消され、確定申告などの計算の効率化も図ることができる。

■期待できる効果

1点目は、紙資源の削減が期待できる。レシートの電子化によって紙レシートを発行していた時よりも、紙資源を減らすことができる。将来的には、紙レシート0を目指して事業を展開していく。

2点目は、支出管理が容易になる。アプリ一つで毎日、毎月の支出が管理できるようになり、確定申告等の効率化も期待できると考える。また、家族などでグループを作成することで共有可能となる機能も追加した。

3点目は、マーケティングの分析にデータを活用することができる。QRコードをスキャンするだけで、消費者の購入履歴や傾向をAIで分析し、その人にあったマーケティングや広告宣伝を行うことが可能となる。


■問題点

1つ目は、アプリの浸透。現在消費者市場で強く根付いている紙レシートの概念を、大きく変える必要がある。保守的な思考を持つ人からの理解や、スマホの使い方が分からない人、電子化に対して必要性を感じていない人などへの対策が必要になる。つまり、環境問題や食料問題も既存の仕組みを変化させなければ、根本的な解決につながらないのと同じである。

2つ目は、セキュリティーの徹底。ユーザー登録やレシートの購入履歴は、極めて重要な個人情報である。万が一でも情報漏洩等の問題が起きてしまえば、一気に社会的信用を失うことになってしまう。そのため、セキュリティー対策は最重要課題として、徹底的に取り組む必要がある。

3つ目は、初期投資。電子レシートに対応したレジの導入など、初期投資がかかるという点も課題として挙げられる。消費者に関しても、高齢世代はそもそもスマートフォンを持っていない人が居ることも、考えていかなければならない。

 また、現在は店舗購入商品の返品や交換にはレシートが必須となっているが、電子レシートにすると、偽造や捏造をする人が出で来る恐れもあるため、返品や購入ができなくなってしまうという問題も発生する恐れがある。しかし、電子レシートを用いての返品や交換は、2週間以内といった期限を設けることで詐欺の防止につながると考えられる。

■レシートの電子化について実際に貰った生の意見

「レシートのロールの費用が浮くし、変える手間がなくなって便利になる」と、大きなメリットを感じているのが販売者側の意見だった。一方で消費者側は、アンケートでは多くの人がレシートの電子化を望んでいたが、高齢者の方々からはアナログの方が楽だという意見もあった。

このように、紙のレシートを今すぐ廃止することは現実的には不可能であり、段階的に進めていく必要がある。つまり、シニア層の顧客獲得も目指すには、シニアマーケティングもこの電子化の課題であると言える。


■ビジネスキャンパスモデル

「顧客セグメント」は、消費者全体、「顧客との関係」は、サービスの提供者と享受者、「チャネル」はアプリ、「価値提供」は、領収書と支出管理また、レシートの電子化による紙の削減、「主要活動」は、サービス構築・電子決済アプリとの連携・インバウンドでの加盟店の開拓となっている。外国人観光客の母国の多くでは、キャッシュレス決済が常識となっている。インバウンド需要に対応するには、キャッシュレスは欠かせない。2018年の国別訪日観光客数によると、韓国と中国が全体のほぼ4分の1ずつと、外国人観光客の半分以上がこの2ヵ国からの旅行者である。世界で最もキャッシュレス決済が進んでいる国は韓国で、その決済比率は96.4%。次いでイギリスが68.7%。中国は2015年の時点で約60%。諸外国は、日本の19.8%とは比較にならないほどキャッシュレス決済が普及している。このように、キャッシュレス決済が普及している国々からの外国人観光客にとって、キャッシュレス決済が使えない状況はかなり不便であり、また店舗にとっても機会損失となることが考えられる。したがって、電子決済アプリとの連携を図ることで、「主要活動」としてインバウンド需要を利用した事業拡大が期待できる。最後に、「パートナー」は企業や店舗になる。

■リソース

マーケター、サービス戦略者、システム開発エンジニア、アプリ開発エンジニア、アプリデザイナー、営業などが必要となる。エンジニアへの業務委託の手段としては、企業との提携あるいは、クラウドソーシングでの委託になる。クラウドソーシングとは簡単にいうと、オンライン上で仕事の発注者と受注者が契約して、仕事が終われば発注者が受注者に代金を払うというシステムである。インターネットが普及した現代ならではの新しい雇用形態を活用し、エンジニアへの業務委託を図る。
■コスト構造は

アプリ開発、アプリ運用、セキュリティー対策となっています。「Pay Check」のサービスを始める上で特に重要なのが、セキュリティー対策だと考える。ユーザー情報や購入履歴を預かっているわけであり、情報漏洩などは決して起こしてはならない。つまり、セキュリティー対策にコストがかかってくると考えられる。

■収益の流れ

アプリが広く浸透するようになれば、事業を展開することが可能となる。そして、基本の無料プランに加えて、機能が豊富な課金制のプレミアムプランを開始するなどサービスを拡大していく。

その結果、PayPayや楽天Pyay、LINE Payなどのサービスを提供している企業と連携していくことで、ユーザーにクーポンなどのキャンペーンの提供を開始することができる。また、これと同時に広告運用も可能になっていく。

■事業展望

まずは、アプリの認知拡大に伴うユーザー数の増加を狙う。次にここまで提示してきた初期段階でのサービスをさらに展開させ、プレミアムプランなどの課金制度を導入する。そして、PayPayなどの電子決済アプリとの提携、やがては国規模で、消費市場で必須のアプリになることを目指す。