夫婦・カップル用コミュニケーションアプリ「おしどり」デザイン

OVERVIEW

iOSアプリ「おしどり」のデザインを行いました。

■アプリ

(TestFlight 申請中)

■制作期間

約3ヶ月
(デザイン: なっきー、実装: 友人T)

■コンセプト

「パートナー同士、本音を言い合える関係づくりをお手伝い」

■サービス概要

カップル・夫婦間で「本音を言い合える関係づくり」を目指すため、以下の2つの機能を備えている。

①パートナーとのメッセージ機能

第三者の『おしどり』を通して「手紙を書き」、「キャラクターに内容を預ける」というストーリーで相手宛てのメッセージを書く。
「相手へ直接言うことが心理的に難しい」内容でも心理的なハードルを下げる狙い。
「ありがとう(感謝)」「ごめんね(謝罪)」「あのね(相談事)」の3つのカテゴリーから選択することで、これらのキーワードを日常化させたい。

②他の利用ユーザーの手紙内容一覧を表示する機能

他の「おしどり」アプリ利用者が、どのように感謝、謝罪、相談の内容をパートナーに伝えているのかを見ることができる。

また、「いい」と思ったメッセージ内容にはボタンを押して反応することができる。

機能実装の理由は次の2つ。
①他のユーザーの投稿を見ることで、パートナーとのコミュニケーションの参考にするため

例: (『タオル替えてくれてありがとう』という他のひとのメッセージを見て)「こういうこと最近伝えてないな」と気づく→似たような内容のメッセージをパートナーに送信

例: (『〜してほしいな』という相談事の内容を見て)「同じような状況があった、こう伝えればいいのか」という参考にする→似た内容のメッセージをパートナーに送信

②「いいね」が押されることで、他人からの共感、応援を励みに本音を言い合える関係への努力継続を目指すため。

■ターゲット

カップル、新婚夫婦など、これから長い関係を築いていくペア向け。

離婚率の原因1位は「性格の不一致」。他人同士なので意見の違いは当たり前だが、本音を押し止めず、お互いを理解する姿勢を大切にしていくことで、離婚率減少の助けになるのではと仮説。そのために、まず「本音を言い合える」ための場づくりを目指す。

■課題

  • 不満があっても、怒られそうだから、相手に直接言うことができない(アンケート回答より)
  • 一緒に過ごす時間が経つにつれて、「日々の感謝を伝える」ことを忘れがち(自分の親を見て)

■工夫した点

□既存アプリを参考

世間で多く使われているアプリ(例: LINE、Facebook、NewsPicks、LIPS等)を参考にし、使いやすいデザイン(文字サイズ、ボタンの大きさ、コンポーネントの構成等)を研究した。

デザインツールは Figma を使用し、「実機で表示するとどう見えるか、使いやすいか」を Figma Mirror アプリを使い検証していった。

□パートナーとの手紙画面

「手紙」をイメージし、カード型を採用。また、一般的なメッセージアプリでの人物のアイコンを起用するのではなく、「おしどり」キャラクターのアイコンを表示することで「キャラクターから手紙が届いた」というイメージに。

□みんなのお手紙画面

一般に「タイムライン」と呼ばれるfacebookやTwitterで用いられているテーブルを採用し、「他の人からの投稿一覧」と分かるように。匿名での投稿ということもあり、投稿者名・プロフィール画像は非表示。勇気を出したことに対する「いいね」、頑張って伝えている内容には「応援」のボタンラベルを採用。(後日、カテゴリの充実を予定)

■これから改善していく点

□みんなのお手紙画面のボタンラベルの充実

感謝、謝罪、相談事、それぞれ共感するときに感じる感情が異なるため、(例: 感謝メッセージなら『いいね』、相談事なら『参考になった』『勇気を出してすごい』等)

内容に応じた「いいね」ボタンのバリエーションを増やす。

□手紙とみんなのお手紙画面の連携

2つの主機能がそれぞれバラバラになっているという問題が残っている。そこでみんなのお手紙画面で「いいな、自分も言ってみようかな」と思える投稿に対し、内容をそのままパートナーとの手紙作成画面に反映できる動線を追加したい。

■学んだこと

細かい挙動や一瞬の表示でさえもデザインにおいては気が抜けず、常に「ユーザがどう感じるか」を考えることが重要だと学んだ。

今回はじめてのスマホアプリのデザインを経験したが、「データ入力直後のローディング」「エンプティステート」「エラー表示のタイミング」等、アプリが使える段階に到達するまでに、デザインする箇所がいくつもあることを実感。

ユーザにとって「初めてのサービス」を、離脱せず触り続けてもらうためには、ストレスを感じさせない動線をひとつひとつつないでいく必要性があることを学習した。