-連ねる活力-


 ページを見る前に以下の完成品の動画をご覧いただきたい。

https://m.youtube.com/watch?v=6w1DfbE1PZA&feature=youtu.be

プライバシー保護のため画面全体にモザイクをかけている。


 2021年の秋、私たちは文化祭で大きな功績を残した。人の力が動力となるコーヒーカップを1から制作したのだ。

 始まりは2020年の夏、その年の文化祭の企画を考え始める時期だった。文化祭でコーヒーカップを作りたい、とふと思うようになったのだ。この考えがなぜここまで自分を突き動かしたのかは今でもわからないが、おそらく当時の自分にどこか引っかかったのだろう。隙間時間を活用して企画を練り始め、設計図や予算案などをまとめ、企画としての形ができつつあり、いよいよ私が代表として文化祭の運営に企画が通せるかを確認するタイミングになる。

 しかし2020年とは新型コロナウイルスが蔓延し始めたばかりの頃、大掛かりかつ運動をともなう私たちのような企画を許可することはできないと言われてしまった。だが、私たちはそこで諦めることなく、私たちの学校が中高一貫校である強みを活かして次年度に必ず成功させようという誓いを立てた。

 そして月日は流れ2021年初夏、この年も文化祭の企画を考える季節となる。私たちは約1年間考え抜いた企画を提出しようとするが、ここで1つ大きな問題が発生した。アトラクション系の企画の場合、安全性の確保を保証できなければ許可することはできないと言われてしまったのだ。私たちはただの高校生、そのコーヒーカップが本当に安全かどうかを確かめるすべがなかった。

 そこで、私はとあるリフォーム会社の方へアポイントメントを取り、企画書や予算案の見直しの協力を要請した。結果としてリフォーム会社はそれを快諾してくれて、その道のプロフェッショナルに企画に関わっていただけるようになった。設計図を改めて書き直し、それに必要とする木材を全て提供してもらえるという幸運にありつくことができた。

 こうして安全性の保証ができるようになった私たちは1年越しに企画の許可を勝ち取ることができた。工具の扱いに長けている友人やデザインが得意な友人、使える人脈を駆使して私たちは企画を完成させることができた。

 結果企画は大成功し、その年で最も評価の高かった企画に与えられる賞に入賞することができた。

 私は工作が得意なわけでもなければ上手な絵を描くこともできない。しかし、素晴らしい技術を持つ友人たちを束ねて団体をまとめることで企画を成功させることができた。勉強だけしていては決して経験することはできない貴重な体験だった。この経験は将来、いずれかの形で活きると信じている。


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